ワ民に「メギド72」をおすすめしたい
「メギド72」の6章2節は「ワールドトリガー」の大規模侵攻なんです。6章、特に6章2節以降は『主人公不在のシーンを増やし、敵と味方の様々な状況が絡み合いつつ展開する群像活劇』。この説明だけでもなんとなく大規模侵攻を思い出しませんか?
というかメギド72のゲーム自体にワートリ味があるから、ワートリが好きなひとは騙されたと思ってメギド72をプレイしてみてほしい。
「多様性」「戦略」「適材適所」「数の力」「みんなが主人公」
こういうキーワードにピンとくる人には高確率で響くはず。
というわけでワ民にメギド72のおすすめなところを書いていきます。個人的な考えです。
※メギド72の6章3節までのネタバレ、星6絵のネタバレあり※
コンテンツの比較が嫌いだというひとは読まないほうがいいです。
やたらと太字や「かっこ」で強調してる文章なのはメギド72へのリスペクトです。
よろしくお願いします。
異世界からの侵攻に抗うストーリー
ざっくりしたあらすじ
メギドラル(悪魔界)に住むメギド(悪魔)がハルマ(天使)との戦争をヴァイガルド(人間界)で起こそうとする中、メギドを召喚することができるソロモンの指輪を持つヴィータ(人間)の主人公・ソロモンが、メギドラルを追放されてヴィータに転生した追放メギドの仲間と共にメギドラルに抗っていく。
ワートリになぞらえると、フォトン*1(トリオン)が必要なメギドラル(近界)に住むメギド(ネイバー)や幻獣(トリオン兵)がヴァイガルド(玄界)に侵攻して来るのを主人公が率いる追放メギドの軍団(ボーダー)が防衛する、という感じ。
個人的には4~5章がブラトリ争奪戦、6章~が大規模侵攻という感じなのでワ民におすすめなのはその辺から。序盤は読みやすさ重視でテキスト量が少なくて物足りないかもしれないけど、ワートリと同じようにスロースターターなだけで面白さは保証するので切らないでほしい。ついでにいうとスロースターターだけど開幕早々に主人公の村は焼けます。
キャラクターについて
メギド72のキャラにはレアリティが存在しません。すべてのキャラが星6まで育成可能で、配布キャラとガチャキャラにも格差は一切ない。使いやすさに差はあるものの性能は様々で、どんなキャラにも活躍の機会がある。特殊な性能を持つ使い方が難しいキャラも増えているとはいえ、結局は使い方次第。(ハイドロボムはまぁあれですが……)
ソシャゲっぽく言うなら「ハズレ」がなく、ワートリっぽく言うなら「みんなが主人公」
性能だけではなくキャラクター性も個性があって3Dモーションも凝っていて、シナリオでもゲームでも「みんなが主人公」
公式スタッフのコメントを見てもらうと、どのキャラも主人公としてデザインされていることを分かってもらえるはず。
『シナリオ製作で意識しているのは、彼らメギドたちは、それぞれが自身の考えを強く持ち、それを前提とした思考、行動をするということです』byシナリオライター*2
『メギド作成時は「そのメギドが主人公になれるのか」を意識しています。どのメギドも、外見や物語は魅力的だが「性能は惹かれない」では「このメギドが私の推しで、私の推しが最高なんです!」と言えなくなってしまいます』byレベルデザイナー*3
『このメギドはどんな生き方をしてきただろうか?どんな戦い方をするだろうか?武器をどう扱うだろうか?喜びをどう表現するだろうか?などなど、様々な可能性をかなり時間をかけて一人一人掘り下げています--中略--全てのメギドの全ての動きにはなにかしかの意味があり、彼らが歩んできた人生が垣間見えています』byアートディレクター*4
キャラが個性豊かなのはどんなコンテンツでもそうだけど、メギド72の特徴は、力こそすべてという戦争社会で生きていたメギド=悪魔が、脆弱なヴィータ=人間に転生しているということ。
一人一人に物語があって、しかもその物語は転生前と転生後の積み重ねでできているから分厚さがすごい。
凶暴かつ残虐だったメギドがヴィータの価値観を学んだことで正義感が強い好青年に生まれ変わったり、勇猛果敢だったメギドが毒親の元に生まれてしまい虐待されて荒んだり……はたまた性格が悪く数々のクズ行為により追放されたのに追放先でも性格が悪く数々のクズ行為をする27歳クズがいたり。
それから追放メギドは主人公の力を借りると本来のメギド体に戻れる(ゲームでは奥義を使う時にメギド体に戻る)けど、その姿がわりと容赦なく異形でヴィータ体とのギャップもたまらない。メギド体はイマジネーションの産物らしく、これもまた個性豊か。
性別が変わるキャラもいる。そもそもメギドに性別はないけど。
ゲームシステムについて
ゲームシステムとしては、画面中央にランダムで現れる3種類のコマンドを敵と交互に取り合い、行動させたいキャラの上に積み上げるだけ。
・通常攻撃と覚醒ゲージ+1を行うアタック
・キャラ固有のスキルを発動するスキル
・覚醒ゲージ+2を行うチャージ
覚醒ゲージが満タンになった状態でアタックするとゲージをすべて消費して奥義が、スキルを取ったらゲージを1消費して覚醒スキルが発動する。
やり方は単純なんだけど、これがかなり奥深くて面白い。ただ難易度は全体的に高め。途中までは大丈夫だけど5章1節がヤバイ。6章2節のシナリオを読んでほしいんだけど、そこにたどり着くのはけっこう大変だったりする。
公式側も「単にレベルを上げて、攻撃を仕掛ければクリアできるというのは、メギド72が目指しているバトルではありません」と言い切っている。
序盤はゴリ押しできるし、汎用性が突出した強いキャラがいるといないとでは攻略難易度は変わるけど、基本的に鍵となるのは「多様性」と「戦略」だ。
メギド72のゲームでは各キャラの性能を把握し、敵の特徴や行動パターンを踏まえて適材適所で編成を変え、さらにランダムで出てくるコマンドをどうキャラに割り振るかという「戦略」がものをいう。またコマンドは完全にランダムで出てくるため、描いている勝ちパターンを作れるかは「運」も必要になる。
言葉で言っているだけだと説得力がないかもしれないけど、実際にやってみると本当にこれなんです。マジで。
そして、戦略の幅を広げるには「多様性」が何より大切です。
「多様性」と「戦略」
一旦ゲームから離れてシナリオの話をしたい。
主人公たちの敵であるメギドラルは強く狡猾で、後手に回った主人公たちがメギドラルの思惑を推測し、対応策を考えて実行に移すことで何とかギリギリで対抗している状態。でもメギドラルが仕掛けてくる作戦には何重にも意味があるから、ただその勝負に勝てば終わりというわけではない。
太刀川さんは『勝負を決めるのは戦力・戦術、あとは運だ』と言っていたけど、主人公たちはメギドラルより戦力で劣っていて、しかも戦術でも上を行かれているというハードモードなわけだ。
じゃあどうすればいいのか?
シナリオではその答えとして「多様性こそが、いかなる敵をもねじ伏せる」とはっきり描かれている。
「多様性」とは単純な力や武器の話だけではなく、知識や経験、考え方の違いに「数」という力……ありとあらゆるもののこと。
主人公が自分と目的は似ているけど取る手段の違う敵対者を仲間に引き入れる時の口説き文句、『俺とは違うスタンスの○○の協力があれば、行動の「多様性」が得られる』だよ。
「多様性」があれば、正面から戦って勝てないなら別の戦略を考え、それが駄目ならまた別の戦略を……そんな風に色々な「戦略」が生まれるのだ。
攻撃力が強い奴、粘り強い奴、状態異常が使える奴、戦況を分析するのが得意な奴、一発逆転を狙える発想力のある奴。
そんな「多様性」のある全員一人一人が自分のできる最善を尽くせば、それが勝算になるというのがメギド72の考え方。
そして「数」が単純な「力」になることはワ民ならご存知でしょう。
「多様性」が重要なのはゲーム部分でも同じで、たくさんのキャラを揃えてちゃんと相手に合わせて編成して戦略を練れば強い相手にも勝算が見えてくる。
シナリオは全部セリフで進んでいくから漫画みたいな緻密な戦闘描写があるわけではないけど、その代わりにゲーム部分にそういう要素が詰まっているから、ワ民にはシナリオだけでなくゲームも楽しんでもらえるはず。
多様性があるからこそ多数の戦略が存在し得るとメギド72はシナリオでもゲームでも強く訴えかけてくる。なんかワートリっぽくないですか?
ということで、メギド72は全体的にワートリっぽいと思うので、ワートリが好きなひとはぜひメギド72をプレイしてみてください。
公式ポータルには2章までの攻略法が載っているし有志による攻略wikiも充実しているので、攻略に詰まったらその辺を参照してみてください。
とりあえず6章1節から次々続々たくさんのキャラが登場して2節はもう本当に大規模侵攻なので何卒よろしくお願いします。3節は記者会見です。
タイトル画面で主人公とヒロインが大号泣しているのはなぜか? その答えは誰にも分からない。
完。